1回研究会(2002.12「竪町の女性によるまちづくり」。

(講演者:前金沢竪町商店街組合理事長 山岸化粧品店取締役山岸淑子様)

○(講演要旨) 金沢竪町商店街組合の理事長に就任した平成6年当時は、バブル経済がはじけたあとで、商店街の1/3が空き店舗となっていた。そこで、女性の視点から商店街の活性化策を次々に打ち出した。お金をかけないソフト事業を主体としたこと、メディアを最大限利用し費用をかけずに宣伝を行なったこと、吉本興業に活動場所を提供し大きな話題となったこと、TMOの第1号に認定されイベントのできる広場の整備を行なったことなどにより人出が戻り、4年間に空き店舗がすべて埋まった。

事業を進める上で、商店とともに住民の合意を取る必要も生じ、苦労したこともあるが、多くの人が歩くような街にするために常に工夫を続けることが大事。

平成12年3月に理事長を辞めた後、わずか2年ほどの間に大きく変わっている。町の変化のスピードは非常に速く、油断するとすぐに悪くなるが、頑張れば良くなるということを実感した。

○ 劇場や駐輪場は商店街組合が借り上げ。駐輪場は市から空き地・空き店舗対策補助金を受け、整備費の1/2の補助を受けている。

○ 竪町の中心部では、商店とともに駐車場も空洞化しつつあることから、駐車場スペースをまとめ、1階を駐車場、上を住宅の形にすれば、都心部に人が戻ってくるといった提案をしている。

○ 東京都心の住宅地ではバブル期に駐車場だったが、今はすべて住宅が建てられてしまった。地方都市でも同様の現象が進んでおり、金沢ではそうした動きがみられないのは意外。

○ 金沢でも都心回帰でマンションが建ち始めているが、大通り沿いに限られ、一皮奥までは進んでいない。

○ 東京都心の住宅地ではバブル期に駐車場だったが、今はすべて住宅が建ち、駐車場がなくなった。地方都市でも同様の現象が進んでいる。

○ 金沢市では住宅地に飲み屋が張り付いており、夫婦で近所に出かけるといったことが多く、竪町まで繰り出されることが少なくなりつつある。また、町なかのほとんどのビルにピンク系のテナントが入り、入りにくくなっている一方で、商店街と住宅地とが重なり合うような場所に飲食店が移る兆しがある。             戻る