8回研究会(2004.3)「豊橋市における都心居住の状況について」

(講師:豊橋市企画部都心活性課 主査 石川欣吾様)

(要旨)

1.豊橋市における都心居住の状況

豊橋市は戦災で市街地の90%が焼けたが、その後、市の中心部において約290haに及ぶ戦災復興の区画整理事業が行われた。現在の人口は37万人、愛知県下第2位の都市である。

市の人口は増加傾向にあるが、都心部の人口は年々減少傾向にある。また、郊外店の進出で中心部の商点も苦戦を強いられており、市の顔ともいえる都心部の空洞化は市全体の活力喪失にもつながるという問題意識から都心居住の推進をふくむ中心市街地活性化に取り組むこととなった。

 

2.中心市街地活性化基本計画

中心市街地活性化基本計画のなかでは、市の中心部の約230haが中心市街地と位置づけられており、これを「モダンカルチャーゾーン」、「トラディショナルカルチャーゾーン」、「回遊型商業ゾーン」、「都心居住推進ゾーン」の4つのゾーニングを行い、それぞれ特色ある整備や活性化施策の展開を図っている。

そのうち、都心居住推進ゾーンにおいては、多様な人々が快適に生活できる都心居住環境の整備を推進しており、良質な住宅供給、安全な歩行空間、保育園等都心部住民の生活の利便性向上に配慮した公共サービス機能の充実を図っている。

 

3.再開発事業等の状況

市の中心部では、こうした施策推進や地価下落等を背景として住宅系の開発が進んでいる。

再開発事業としては、平成16年2月完成の豊橋広小路三丁目B地区優良建築物等整備事業、平成17年7月完成の豊橋広小路二丁目地区優良建築物等整備事業、現在準備段階にある豊橋広小路三丁目A地区優良建築物等整備事業が挙げられる。

この入居者をみると、市内郊外部からの転入が約6割を占め、従前の住居形態としては戸建所有が約4割、民間賃貸住宅が約3割を占める。また、入居者の家族構成としては2人世帯が約5割を占め、入居者の平均年齢は40歳台半ばである。

平成12年度から15年度の間には、都心部及びその隣接地区において、再開発事業を含め、16のマンション事業(計706戸)が建設されている。

 

4.課題と展望

都心居住推進上の課題としては、中心市街地の魅力をいかに高めるか、特にソフト面でどのような工夫が出来るか。また、都心部の魅力のPRも重要と考えている。

中心部には、市民病院の転出跡地などもあり、これらをどのように活用していくかといったことも今後の検討課題である。

以上

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