平成24年度事業計画

1.基本的視点

2011311日の東北大震災、EUのソブリン危機等の中で、震災復興計画が策定され、実施に移されつつある。また、政府はTPP参加交渉を表明し、更に、税と社会保障の一体改革が提示され議論されつつある。この中で、都市と地域を取り巻く環境は、原発事故に伴うエネルギー問題の深刻化、少子高齢化の更なる進展、景気低迷、財政逼迫、大阪等の地域政党の影響力の増大、地域主体の地域再生事業の実施等、大きな変化を示しつつあり、本財団の基本理念である「都市化」を取り巻く環境も大きな変化を示している。

本財団は、人類社会の発展を「都市化」の過程としてとらえ、この認識のもとに日本経済社会の長期展望並びに地域別、問題別の長期展望に関する調査研究を行うことによって、各研究対象の適切な進路選択に貢献することを目的としているが、平成24年度においては、当財団のこれまでの都市化の進展に関する諸事象の研究や社会資本整備論等の業績を発展的に展開していくことを念頭に置きつつ、「国土計画に関する研究」「社会資本整備に関する研究」「都市化の進展に伴い発生する社会現象に関する研究」「都市および地域の経済動向分析」「都市・地域の再生に関する具体的な個別事象に関する研究」の5つを柱として、その時々の経済社会現象により具体的な研究テーマを設定し、調査研究を行い、その成果を社会に情報公開していくこととする。

2.調査研究活動

()国土計画に関する研究

 これまでの全国総合開発計画および現行国土形成計画に関し、その基本的考え方、効果、事業方式、国家と地方の政府の機能分担関係、および課題を検証しつつ、今後のわが国国土計画への指針を提示する。当財団役員を中心として研究会を組成し、これに官民の専門家が加わる形で研究会を開催し、「国土政策主体」「国土開発プロジェクト」等についての研究を行い、その成果を情報公開する。

()社会資本整備に関する研究

都市化の進展に応じた社会資本整備について、整備体系、整備方式等を中心に研究していくこととする。社会資本の個別論の研究を行うとともに、会計法等の公共調達体系の見直し、更にPFI/PPP方式等新たな公共調達方式についての調査研究も行い、その成果を情報公開する。

()都市化の進展に伴い発生する社会現象に関する研究

都市化の進展に伴い発生する様々な社会現象を取り上げ、これを分析しかつ将来方向を提示していくこととする。「高齢化社会に関する研究」「都市化の進展と農業」「中心市街地の空き地空き家」の問題を取り上げて研究を行い、その成果を情報公開する。

()都市および地域の経済動向分析

 当財団が蓄積している「地域データベース」を活用して数量解析により都市・地域の経済動向分析を行う。具体的には「地域経済力変動要因」「地域経済振興のための条件検証」を行うとともに、個別都市の再生条件の調査研究を行う。地域データベースのメインテナンスについても引き続き行い、この成果を情報公開していく。

 ()都市・地域の再生に関する具体的な個別事象に関する研究

 全国ベースの国土計画と並行して、個別地域における都市・地域振興または再生の動向について現地訪問を行い、調査研究し、これに適切な提言を与えつつこれら成果を情報公開する。特に、公民連携方式、住民主導型第三セクター方式等事業スケルトンに着目して調査研究を行う。

3.社会への情報開示

 財団の経営方針、研究状況、経営状況等について、ホームページ等を活用して広く社会に情報開示を行う。研究成果はホームページ及び一定期間毎(23年程度)の出版により広く公開する。また、財団で構築した「地域データベース」その他も同様に情報公開していく。

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